20130730

exhibition_04 -- Epoch I

studio_01 and yakul (Yuki Anai and Sohya Oyama) have recently participated in an exhibition at the Tokyo University of the Arts with their piece entitled "Epoch I".

exhibition website
http://materializing.org/



Over the course of “Materializing”, various people will make their mark on the exhibition as they witness a variety of projects.  As they move, the space over which people move is most affected by their presence.  In the other areas, ones that remain more still, layers upon layers can be added, un-weathered, un-compacted, and unchanged.  As these layers grow, visitors’ paths and motion can be traced into the earth. 

studio_01 + yakul have created an small scale environment of the exhibition space as a sculpture and using cameras located throughout the exhibition track visitors’ movement through it.  Their movement will be recorded in sand and by the end of the exhibition, will have made a log of the exhibition’s history.  This history, while touched by each visitor, is not the product of a single person, but is made by the entire population of visitors each equally affecting the space. 


東京藝術大学で開催されたマテリアライジング展にyakul(穴井佑樹、大山宗哉)と共同で作品「Epoch Ⅰ」を出展しました。

「Epoch I」は、会期中15日間かけて出力される、とても時間のかかる3Dプリンターのような作品です。会期中訪れる人々の動きによって形は変わり続け、その軌跡は砂のグラデーションとして記録されます。会場に設置されたセンサーから動きに関するデータを入力し、ロボットアームによって水で固まる砂を堆積させ、霧を降らせることで彫刻として固める、不特定多数の人々の軌跡による彫刻です。








Beginning of exhibition

Beginning of exhibition

End of exhibition

End of exhibition




construction

Wire connections

Falling Sand 


essay

僕らは出力にとても時間のかかる低解像度プリンターのような作品 「epoch」 をつくりました。
今回のテーマ「マテリアライジング」はデジタルデータを物体として実空間に出力することだと考えています。ただ、そこには現在の技術ではどうしようもない問題が2つあります。
一つは、「解像度・分解能・再現性」です。モニターで見ているものと100%同じものを出力することはできません。なぜなら職人やロボットでも決まったサイズぴったりに素材を加工することが難しいからです。もう一つは、「出力・完成するまでの時間」です。モニター上に3Dデータを描くことにくらべて、データを物質として出力するのにはすごく時間がかかります。
テクノロジーを利用した創作は、一見、その時代の技術限界との戦いのように思えますが、必ずしもそうではないと僕らは考えています。僕らは時代の技術限界に対して挑むのではなく、その限界の存在によって導かれる視点を利用することで、現在だからこそできる発想や使い方、表現に価値があると考えています。技術合戦になってしまい、来年には価値の無いものになってしまうからです。デジタルカメラの画素数が足りないという人はもういません。むしろフィルタや共有の方法に価値が見出されている時代です。時代は常に更新されていくのです。
今回僕らが展示している作品「epoch」は、砂というさらさらした素材を使うことで、コンピューターで難しいシミュレーションをすることなく、なめらかな曲線を作りだします。砂のもつ質量や粘性に対して最適な制御点をあらかじめ設定することで、より自然な曲面を生成させます。これは解像度を上げるというアプローチではなく、少ない制御点の間を自動的に補間しながら曲線を描く、いわばベジェ曲線のようなアプローチです。
また「epoch」は、会期中15日間かけて出力される、とても時間のかかる3Dプリンターのような作品です。僕らは出力に時間がかかることは限界ではなく、人々が参加できる時間的な余白だと考えています。会期中訪れる人々の動きによって形は変わり続け、その軌跡は砂のグラデーションとして記録されます。人の歩くところが100年後、道になるようにです。
「epoch」は単に新しい時代を意味するのではなく、その時代、その特定の時間でしか生まれない新しい発見を意味するのです。

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